さて、ここからはいよいよ少年野球の練習など、本題に入っていきます。
野球というスポーツは投げる・捕る・走る・打つの基本動作に加えて、
場面に応じた様々な動きを覚えて初めて試合に出る事が出来ます。
同じゴロを捕っても、
『どこにランナーがいるのか?』『アウトカウントは?』など、
それぞれケースにより対応が異なります。
打撃にしろ、走塁にしろ、守備にしろ、
こうした頭を使う動きが求められるのは、
スポーツの中でも野球が一番多いのではないでしょうか。
そうした事も含めて、日々の練習は行われます。
練習前のウォーミングアップ
まず練習の始まりはウォーミングアップから始まります。
どのスポーツでも同じですが、いきなり激しい動きをすれば、
肉離れを起こしたり、関節を痛めたりと、ケガの原因になったりします。
子どもはある程度日頃から遊びを通して筋力が鍛えられているとはいえ、
やはり練習前のウォーミングアップは欠かせません。
ランニング
まずはランニングから始まるのが一般的です。
部員全員で2列に並び、チームで決められた掛け声とともに、
外野の辺りで走ります。走るといってもダッシュのような走り方ではなく、
筋肉を温め、心臓に軽い負荷をかける程度の走り方です。
『今から運動をしますよ・・・』という準備を体にさせる為のものと思って良いでしょう。
体操とストレッチ
外野を2~3往復ランニングをしたら、円になって体操をします。
屈伸や前屈など、関節を伸ばしたり、筋を伸ばしたりしながら、ゆっくり体をほぐします。
体操が終わると、二人一組となってのストレッチをする事が多いです。
肩や肘、腰回りなど、しっかりと伸ばす事で、
キャッチボールやバッティングに備えて体の準備がなされます。
特に冬場は寒さによって体が固まる傾向にありますから、
じっくり時間をかけて行う事で、ケガの防止になります。
実は最近の子ども達はとても体が硬いです。
ストレッチや柔軟は子どもたちにとっては
退屈な練習になっていますから適当にこなしている子が実に多いです。
どちらかと言えば、打ったり投げたりの方が当然楽しいですからね。
しかし体が硬いと、走塁の時や、守備でボールを追いかける時などに、とてもケガをしやすくなります。
そうしたケガを防止する為に柔軟やストレッチの重要性は子ども達には教えていかなければなりません。
練習で適当にしているようであれば、
家庭でお風呂上りなどに柔軟などを一緒にするようにしてあげましょう。
ダッシュ
さて、一通りの体操が終わると、次はダッシュをやります。
4~5人で列となって、20~30m程度の距離を合図に合わせて走ります。
瞬発力、俊敏性など、瞬間的な動きを鍛える為に行います。
スタートの合図はチームによって色々ありますが、手を叩く、手を挙げるなど、
そのしぐさに対して、スタートしたりスタートしなかったりなど、一瞬の判断力も並行して鍛えます。
この俊敏性や瞬発力、判断力は攻撃、守り両面でとても大切なものとなります。
盗塁ではピッチャーの動きに対して、
一瞬で帰塁するのか、スタートするのかを判断しなければなりませんし、
打撃では打ったら一目散に全力で一塁に走らなければなりません。
また、守備でも打者が打った打球に対して、最初の一歩目の速さによって、
アウトに出来るのか、ヒットにしてしまうのか、極端に言えばそれぐらい変わってきます。
よって、ただダッシュと言っても、
『そういった攻守に生かせるんだ』と目的をしっかりと分かって走っている子と、
ただ走っている子では、その後のあらゆる練習に差が出てきます。
子どもにはなかなか難しい事かもしれませんが、
常に試合で想定されるシーンをイメージさせて一つ一つの練習をさせる事で、
レギュラーに一歩近づくのではないでしょうか。