ここからはキャッチボールの基本『捕球』です。
捕球においても、上手な人を見ると実に簡単に捕っているように見えると思いますが、
そこまでになるにはかなりの練習が必要なのです。
まず捕球においてのグローブの向きは基本的な構えとして4つあります。
手をパーの状態でイメージしてみて下さい。
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パーの指先が相手の方向を向いている状態、グローブの先端も相手の方を向いています。
この状態は上から落ちてくるボールを低い位置で捕球する体制です。野球をやり始める際、近い距離で下からボールを投げてやり、捕球の練習をする際に一番最初に覚える捕球のスタイルではないでしょうか。 -
次にパーの指先が下を向いた状態は主に低い球を捕球する時の構えです。
グローブの先は地面の方を向いています。地面スレスレの高さから、大体膝下、又は腿の中間ぐらいまでのボールはこの構えで捕球します。 -
そして、パーの指先が横を向いた状態では、主に股関節あたりから胸の下あたりまでの球を捕球します。
グローブの先端は右もしくは左を向いた状態です。 -
最後にパーの指先が上を向いた状態では、主に胸から上の球を捕球する際の構えになります。
当然ながらジャンプして捕球するような球もこの構えですね。グローブの先端が上を向いた状態での捕球となります。
キャッチボールの際には相手が投げたボールに対して、
瞬時に判断を下し、この4つの構えを捕球する側は選択しなければなりません。
この捕球体制の選択を間違えると、落球したり、自らの体にボールが当たったりと痛い思いをしてしまいます。
実は野球のやり始めは、この捕球体制の選択がなかなか難しく、
自分の胸ぐらいに投げられたボールに対して、
①のような構えで捕球しようとしてしまい、痛い思いをしたなんて記憶が多くの少年たちにあるかと思います。
どうしても最初は自分に向かってくるボールの軌道に対して、
グローブを出す構えの判断が出来ませんので、そこで挫折してしまう子も出てきてしまいます。
こればかりは練習で覚えるしかないのですが、
これに関してもいきなりキャッチボールをするのではなく、
誰かに相手になってもらい、近くで色々な高さのボールを投げてもらい、
グローブを出す練習をするのがおススメです。
この際に、正面で捕る事ばかりを教えるのではなく、
正面から少し左右にズレた位置での捕球をさせる事で、ボールを捕るのも上達します。
実は大人の目線では分かりにくいですが、
子ども(特に低学年)では大きなグローブが死角となり、
向かってくるボールが正面で捕球しようとするとはっきりと見えないケースが多いのです。
その為、落球が続き、地道な練習に嫌気がさしてしまう子もいます。
このグローブの出し方に関しては、慣れてくればくるほど自分の捕りやすい形が出来てきます。
よりグローブの中心(ポケットと言われる場所)に入れる為にはどの出し方が良いのか?というのを
キャッチボールを続ける事で瞬時に判断が出来るようになり、
自然にグローブが的確な状態で出てくるようになります。
ボールを捕球して、投げる事が出来なければ、まず野球が楽しいとは感じられません。
試合に出ることだっておそらく出来ないでしょう。
そういった意味もあり、キャッチボールは基本中の基本と言われているのでしょうね。