ファーストは、内野手がゴロを処理した際に送球先として
もっともボールを扱う頻度が高いポジションではないでしょうか?
ピッチャー、キャッチャーに次ぎ、ボールを触る機会が多く、
しかもキャッチャー同様に、送球が捕球しにくいショートバウンドなどで送られてきても
体で止めなければならない大切なポジションです。
1試合中、多ければ内野ゴロでのアウトが10回以上にも及ぶことがありますが、
そのたびにファーストは内野手からの送球を受けなければなりません。
すべての送球が捕球しやすい所にくるとは限りません。
左右に逸れた送球が来るかもしれませんし、頭上をはるかに上回る高い送球が来るかもしれません。
まして、少年野球においてはファーストへの送球は、
サードとショートは基本的にはワンバウンドでの送球をするように教えられていますので、
イレギュラーした送球や、捕球しにくいバウンドの送球を捕球しなければならない場面も多いです。
よって、ファーストはどちらかと言えば長身で、捕球が上手な子が選ばれる事が多いです。
せっかくピッチャーが内野ゴロに打ち取っても、
ファーストが内野手からの送球を捕球出来なければアウトが取れないですからね。
試合を締まったものにする為にも、ファーストは貴重なポジションと言えるでしょう。
ファーストの動き
そんなファーストは動きとしてはそれほど機敏さを求められる訳ではありません。
ライン際の打球に対しての動きや、バント処理の際の前進、ベースカバーなどぐらいで、
あとは、ある程度決められた範囲を平凡に守っているという感覚が強いでしょうか。
しかし、ファーストは平凡に見える反面、集中力は求められるポジションです。
理由は、最も走者が出る確率の高い一塁ベースを守らなければならないという点で、
最もピッチャーからの牽制球を受ける頻度が高いポジションと言えるからです。
よく走者がよそ見をして牽制球でアウトにされるという場面を少年野球では見かけますが、
実は逆もあり、ファーストがボーッとしていて、ピッチャーからの牽制球を捕球できず
進塁を許してしまうという事もあったりします。
さらに、走者が一塁にいる際には、送りバントをされる事も多く、牽制球を受けながら、
バント処理に対しての動きもしなければならないという、少し複雑な部分もあります。
この動きがスムーズに出来ないと、ベースを空けてしまい打者を生かしてしまったり、
キャッチャーからの牽制を捕球出来なかったりと、アウトを取るチャンスを逸してしまいます。
このように、ファーストは守備範囲こそ広くはありませんが、
集中力と応用力が求められるポジションであると言えます。
左利きの選手が守れるポジション
また、ファーストは内野手では唯一左利きの選手が守れるポジションでもあります。
もちろんサードやショートを左利きの選手が守ってはいけないという決まりがある訳ではありませんが、
捕球→送球、他連携プレーなどを考慮して、左利きの選手は基本的にはファーストに限定されてしまいます。
左利きの選手は守れるポジションも限られてしまいますから、
数少ない内野の枠として、積極的にファーストへチャレンジしてみては如何でしょうか?
ちなみに、ファーストもキャッチャー同様に専用のグローブ『ファーストミット』というものがありますが、
別に普通のグローブでプレーしても問題ありません。